しかし養鶏を始めて10年程たった頃、どんなに農薬を使っても消毒しても、抗生剤を投与しても病気は無くならない状況に、疑問を持ち始めました。
そんな時、「人間の健康に食物が大きく作用する」という話を聞き、「食品づくりの根本に携わる私たち農家がまず、食物の安全性を何よりも考えなければ、将来を担う子どもたちの未来はない」と、それまでの農薬や抗生剤などの化学物質に頼った農業に対する考えが一変、目が覚める思いでした。
その後、農薬などの使用により、崩れてしまった自然本来の環境を取り戻し、いかに化学物質に頼らず、安全で美味しい卵をお客様に提供できるか、私たちはいろいろ苦心を重ねながら、鶏の飼育を一から見直し始めました。
「卵の76%は水分!だからこそ、水が良くなければいけない!」
と鶏の飲み水にこだわり、地下150mから汲み上げた美味しい地下水を与えています。
また、餌には乳酸菌などの有用菌を利用し、腸内細菌を活発にすることで、免疫機能の向上につながり、少々のウイルスや雑菌に負けない健康な鶏が育ちました。
その結果、生育状況や卵の出来栄えが良くなったほか、鶏糞から発生するアンモニアガスが減少し、養鶏場が臭わなくなりました。化学物質に頼らず、良い水で健康に育った鶏からは、殻が丈夫で、黄身も白身もハリがあり、濃厚なコクと旨味のある美味しい卵が産まれるようになりました。